2011/03/10

第1回 「デカワンコ」より、多部未華子の話

日本テレビ土曜ドラマ枠で放送中の「デカワンコ」が面白いので、親類一同視聴中である。
 


ご存知でなければ教えて差し上げたい。主演の多部未華子ちゃんが可愛い。
可愛いと言っても、ありていの媚や平凡な化粧臭い算段とは、完全に距離をおいているのだ。
河原で拾って石を見ると、多部未華子を思い出す。
お気づきであろうか。
石は、ただの石ではない。
石はかつて火山から苛烈に吹き荒れる溶岩であった。
地に流れて冷えて固まり、時間をかけて堆積し、怒りに任せて叩き割れ、そうして石は、今見るような石になった。
時に皮膚をも切り裂く硬度を持つ、なまなましい歴史を持ちつつも素直で愚直な凶器。
----石はかつて、地球であった。
地球の熱き血潮であった。
多部未華子の猛然たるプリミティヴな質感は、いうなればそのようなものだと思う。





「デカワンコ」では、犬並みの嗅覚で時間を次々に解決する新人女刑事を演じる。
「ニオいます!」と一声叫び、ためらいもなく顔面歪め、鼻を吊り上げクンクンと匂いをかぐ姿は、下手な犬より犬らしい(?)。
テレビのスイッチを切ったあと、私はしばしば「多部未華子という人は、実はわけあって人の姿をしている犬なのだ。」という、神話的な空想から離れられなくなる。
多部未華子が本当に犬(イヌ科イヌ族)でありますよう、お祈りするばかりです。
要約しますと、つまりこのドラマがとっても今期のおすすめであります。





(追記:近年、多部未華子はおとなの女性としての歩みを進め、すこしばかし分かりやすいお化粧をする場面が増えた。しかし素敵な清らかさは当然変わらず、柔和な可愛らしさも増した。)


デカワンコ公式ウェブサイト 





 (2011.3.11 配信)